第13回 情報デザインフォーラム 2014年04月29日

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2014年04月29日にNHN PlayArtで開催された、
第13回 情報デザインフォーラムに参加してきました、
今回はテーマが「ワークショップの原点とファシリテーション」ということで、
UXデザイナーであるとともにワークショップデザイナーでもある自分には、
注目の内容でした。




「根っこに戻ってから考えるために」
 多木陽介(演出家、アーティスト)


 根っこ→生産世界を大きな木と捉えると、
     目に見える部分は文明で、
     根っこは無意識や神話と捉えられる

 生産世界の木が根っこを大事にしないために、
 倒れようとしている。

 ▼アッキレ・カスティリオーニ
  根っこを見ながら最先端を行っている人。
  =プロジェッティスタ(デザイナーという言葉はなかった)

 ▼プロジェッティスタ
  1. 大抵建築家
  2. スプーンから都市まで作る。
  3. 社会、政治、経済、文化等
   各領域に対して批評判断能力を持ち、
   多様な専門家たちと協力して、
   様々な要素を考慮しながら、
   人間の生活環境を改善を図る作業の
   すべての段階を統括指揮する知的かつ実践的仕事。
  4. ある1つの分野の専門家ではない。

 必ず今あるものを疑うところから、
 これでいいのか?
 なぜ、こうなのか?

 例 iPhoneなどのスマートフォン
   たった一つのオブジェが数億人の行動をデザインした。

 ▼物の観察: 
  あるものが、なぜその形をしているのか?
  形と機能の関係は?
  そこに潜む知恵や社会的要素の影響は?

  例:はさみ

  道具には意味がある

 ▼腕時計を成立させている主要要素は?
  →腕に付けるということが一番大事なとこ
   (それまでは懐中電灯だった。)

 ▼ブルーノ・ムナーリのサングラス
  サングラスのデザインにおいて根に戻るとは?
  →レンズという名詞の下の動詞(目に入る光の量を制限する)までたどり着いてみる

 ▼形の前に・・・
  
  例:照明器具の前にどんな光がいるか
    →直接光と間接光と を使って、どんな明かりを提供するか考える
    
 ▼イスをデザインする前に・・・
  イスは人の生活に最適な道具かと問うことも
  最後の晩餐は寝そべっていた

 ▼エンツォ・マーリ
  半分社会学者のような人

  例:波佐見のワークショップ(2000-2002)

   ・うさぎの絵つけを見直すワークショップ
   ・書道の先生を呼んで、自分達の技術を見直すワークショップ
  
 ▼プロジェッティオーネの木  
  最先端から少し根っこの方に引きづりおろす。

  伝統工芸とはいえ、毎回根に戻ってから出発することが生命力のある
  創造力を保つ秘訣

 ▼城谷耕生

  ひと・もの作り唐津プロジェクト 野菜について学ぶ
  (野菜について学んでから陶芸を行う)
   
  唐津の土から採れた野菜を、
  唐津の土で作った皿で食べる

  陶、食、農という
  3つの知恵と技術の体系が一つに。

 ▼他の領域でも根に戻って作る
  
  例:狂言
    中世に成立した喜劇
    風刺性、社会性に富む
    即興、歌舞、何でもやる
    猥雑さもある民衆喜劇

    17世紀から大きな変容
     武家の式楽になる
     ・・・庇護される一方
        抑圧と検閲の対象に
        その中で様式化の道を歩む
        
   例:附子

   様式化とは
    テクストの固定、修正
    動きと声の美しさを大事にする分
    すごくスローになる/笑えない
    意味が分からない部分が多々出る
    品が良くなった反面
    風刺性、社会性を完全に失う
    民衆との関係を完全に失う

   例:蚊相撲

   本当はチャップリンの芝居に近かったのにまったく勘違いされて行われいる。

  ▼延年プロジェクト 狂言×コンメディア(2000年~)
   コンメディア・デッラルテ(16?18世紀)
   
   「はらきれず」
    狂言の「鎌腹」を演出したもの


「ワークショップのファシリテーション」


■「情報デザインとワークショップ」
  小池星多(東京都市大学准教授)

 ▼はじめに
  多摩市でミニバスを運行させるプロジェクトを行う
  (情報の可視化を行った)

  安価でユーザーでも改変しやすいロボット

  ・今やデザインでワークショップは重要
  ・最初はIDEOから
  ・その後d.school
  ・デザインシンキング

 ▼IDEO.d.schoolのフィールドワーク
  
  IDEO
  ・付箋でブレスト
  ・3つの会社が合体してできた。
  ・手法や環境に関心が行きがちだが
  ・ワークショップの参加者一人一人の個人の意識を高める必要

 ▼d.school
  ・スタンフォード大学の学内デザインスクール(2005)
  ・学位は発行しない
  ・ME(機会工学)→IDEO→d.school
  ・ビジュアルシンキングから
  ・スタンフォード大学から出て逆輸入
  ・ドイツの企業から出資


■「ワークショップのドキュメンテーション
  原田泰(公立はこだて未来大学教授)

 ▼省察
  専門家(プロフェッショナル・デザイナー)
   =行為の中の省察にもとづく反省的実践家(ドナルド・ショーン)
   =二重のループによる思考
  
 ▼反省的実践家
  クライアントの抱える複雑で複合的な問題に
  状況との対話にもとづく
  行為の中の省察として特徴づけられる
  特有の実践的認識論によって対処し、
  クライアントとともに
  より本質的でより複合的な問題に立ち向かう
  実践を遂行している

 ▼ドキュメンテーションの潮流

  ワークショップデザイン
  つくって・かたって・ふりかえる
  上田信行  
   →リフレクションムービー(経験の意味付け)
   →ロッケン・ロール(WSの演出ツール)
   →リアルタイムブック(その場で報告書を制作・配布)
   →リアルタイムドキュメンテーション
   →ファシリテーショングラフィック
   →ドキュメンテーション(レッジョエミリア)
   →グラフィックレコーディング
  
   ※ファシリテーション&リフレクション

 ▼ドキュメンテーションの視点
  リアルタイムドキュメンテーション
  →出来事の可視化→ストーリテリング、UXジャーニーマップ、フォトエッセイに相似している
  →インフォグラフィックの活用→表、チャート、地図

 ▼ドキュメンテーションの活用
  実践(ワークショップ)
  ↓
  可視化(ドキュメンテーション)

  参加者の意識変化の気づき
  ファシリテーションの起動修正
  他者や他グループとの共鳴

  全体の振り返りと意味づけ
  俯瞰的に活動を眺める

  反省的実践者の活動を支援するサービスデザイン


■「ワークショップとインフォグラフィックス」
  木村博之(チューブグラフィックス代表)

 ▼「ツタグラ」プロジェクト(経済産業省 2011)
   http://www.tsutagra.go.jp/

   内閣府でもプロジェクトを行った。

 ▼インフォグラフィックス
  絵でくすぐり、何らかの行動をうながすキッカケ

  観察し、コンセプトを伝え、共につくる
  「グラフィックファシリテーション」のすすめ

 ▼スケッチで自分の思いを伝える
  3人でカーテンディスカッションを行って、受けた印象を話し合う。
 
 ▼先人の思いやコンセプトを伝える
  商品の観察フィールドワーク

 ▼日経新聞でのファシリテーション例
  グローバルデータマップ


■「ワークショップの計画」
  安藤昌也(千葉工業大学准教授)

 ▼ワークショップを設計する「ワークショップデザイン」が一つの流行になりつつある。
  ワークショップをデザインするとは。

 ▼千葉工業大学大学院での試み
  ・コミュニケーションデザイン特論
  ・対象:大学院1年
  ・課題:あなた自身の4年間の学部でのデザインにかんする学びを振り返り、
      大学1~4年生、あるいは高校生を含むデザインを学んでいない人向けの
      ワークショップをデザインする。

      「早い時点で知っておけば助かった」、
      「わかりやすく知ることができたらよかったのに」、
      といったデザインや学部教育で役立ちそうなテーマを選ぶとよい

  ・制約:90分以内に終了すること
      デザインに関する学びであること
     
 ▼2013年度の成果
  4つのワークショップパッケージ

 ▼ワークショップパッケージの基本構成
  各ワークショップは、以下のデータで構成されている
  
  ・ワークショップ概要
  ・ファシリテーター用マテリアル
    (プログラムシート・スライドデータ)
  ・参加者用マテリアル
    (ワークシート)

 ▼実践を通した実感?教育的側面
  ・学部の学びを振り返ることでのデザインの学びの整理
    必要な学びを考えることでデザインに対する自己認識を強化
  
  ・「学ぶ側」から「学はせる側」への立場変換の効果
    "学び"というユーザー体験をデザインするために必要な態度・視点の獲得
    他者の理解の過程を意識した、プロセスや方法、
    表現などアプローチ方法を工夫する力の獲得

  ・学び体験の再生産を可能とするパッケージ
    誰もが同じ"学び"を体験できるよう、ワークショップパッケージを
    一つの商品と捉えることで、UXデザインの意義を理解

  ※ワークショップをデザインすることは多層的な学びに。

 ▼ワークショップの学びのメタファー ?アンモニア噴水
  メタに装置を考えること=ワークショップをデザイン

 ▼ワークショップの計画におけるポイント
  ・「問い」の切実性
  ・学びの狙いの絞り込み
  ・意欲に基づくセッションの組み立て


■「企業におけるワークショップ」
  脇阪 善則(楽天編成部ディレクター)

 ▼なぜワークショップなのか
  ひとりではなく、みんなで考えるためのプロセスを得たい

 ▼ワークショップの目的
  ラーニングのためのワークショップ
   理解するという体験

 ▼ラーニングとワークショップ
  興味があることを体験として学ぶ

  例:ストーリテリングワークショップ
 
  例:モバイルデザインのワークショップ

 ▼ワークショップの目的
  プロジェクトでいい結果を出したい

 ▼ワークショップのつくり方
  つなげる
  フレームワークをつくる
  分ける

 ▼デザインプロジェクトとワークショップ
  さまざまな職域の人が集まってプロダクトやサービスをつくる

  デザイン
  エンジニアリング
  セールス&マーケティング

  その後のデザインにつながる具体的な成果を求める
  
  現状理解
  課題整理
  デザインのアウトプット

 ▼デザインプロジェクトのプロセス
  
  調べる(要求事項の理解・ユーザー要件の検討)
   ↓
  つくる(プロトタイピングの作成)
   ↓
  確かめる(設計案の評価)
   
 ▼ワークショップの役割
  
  ラーニング
   手法を学ぶ(手法そのものの体験)

  課題解決・クリエイション
   (手法をつかって創造する)

 ▼ワークショップで達成したいこと
   体験を通して理解する。
   知恵を出し合って創造する
   共通認識を得る


■「ワークショップのこつ」
  浅野 智

 1.はじめに

  ここのところ3年間ぐらい毎年50回以上のワークショップを行っている。

  2年間ぐらい続きて毎月やっているところもあるし、
  年に1回や3回というところもある。
  場合によっては、3〜4年間の付き合いの参加者もいる。

  最近気がついたのは、短期間で分かる人と、
  何年やっても分からない人のいることだ。  

 2. ワークショップの定義
   ワークショップにはいろいろなスタイルがある。
    ・情報教育のためにワークショップ
    ・企業内で技術習得のワークショップ
    ・地域のコミュニティのためのワークショップ

 3. 出来るようになるコストの勘違い

  1.何かを始める時に20時間がんばってみる(Josh Kaufman at TED)

  2. 初心者を脱するためには1000時間(俗説)

  3. 熟達者になるためには10年ルール(アンダース・エリクソン)
    フロリダ州立大学のアンダース・エリクソン氏は、高いレベルのスキル、
    知識を身につけるためには、10年以上にわたる長期的な学習が必要だと述べている。

    10000時間の法則(マルコム・グラドウェル)
    The New Yorkerのライターであるマルコム・グラドウェルが提唱し始めた法則で、
    モーツアルトやビートルズなどのアーティストや、世界的に有名なスポーツ選手が
    その分野で活躍するための練習にかけた時間は10000時間が目安という。
  
   1万時間より短い時間で、真に世界的なレベルに達した例は無い。
  
   「練習をせずに天才的才能を発揮する人」も、
   「いくら練習しても上達しない人」の両者もいなかった。

   ▼ワークショッパー
    1回5時間のWSを月に2回受けたら
    5H×24回/年=120時間

   ▼実務者・大学院生
    1日3時間実務や研究でやったら
    3~4H×250日/年=750~1000時間

   
   人間が集中できる時間
    1.45分説
     (空軍のパイロットが空中戦出来る最大時間)
    2. 90分説
     (大学の授業の1コマ:最近は集中出来ないという説もある)
    3. 180分説
     (トレーニング次第で3時間は集中してワークが出来る)

 4. どうしたら分かるのか
   絶対的な学習時間が必要!

  ディビット・コルブの経験学習理論
   具体的な体験→省察→概念化→思考

  1.ワークショップだけでは経験にならない
   参加者が最大公約数満足出来るように設計されている

  2.事前に具体的な体験を積んでいる必要がある
   状況に取り込まれた体験を省察するのがワークショップ

  3.単発のワークショップでは体系的な学びが得られない
   知は体系化しないと身につかない
   そこにWS設計者の優劣が現れる(正統的周辺参加など)

  好例 Tさん
   1.体験的な学び
    2012年UX京都で1年間学ぶ
    実務でやって来たことを書き換え
    ひたすら本を読んで自ら補足

   2.具体的な体験
    2013年から自社内で業務として部門の立ち上げ

   3.学びと体験の省察
    2013年より次々と学会発表
    2014年認定人間中心設計専門家に

 ◆まとめ
  ワークショップをゴールにしてはいけない
   7割の人は習えば分かると思っている


■「ワークショップのデザイン」
  山崎和彦(千葉工業大学教授)

  ワークショップもデザイン
  
 ▼イタリアのデザイン Progettazione

  例:リチャード・サッパー
     デザインは文化だ

 ▼長友はなぜイタリアで活躍できるのか?
  長友体幹バトル

  いつか必ず世界の舞台に立つ。
   →強い心と強い体。

 ▼ブルーノ・ムナーリ
  デザイナーやアーティストは、
  技術を人間のために活用できる

  例:ダイレクト・プロジェクションのワークショップ

 ▼デザインの骨格とは

  例:コンセント社
    編集デザインの骨格とサービスデザインの骨格は同じようなもの

 ▼デザインの体幹とは?
  
  ・アティチュード
   決まりきった方法論でなく即興でどのような状況にも対応できる
   「アティチュード」を鍛える

  ・鍛える方法のヒント
   ・デザインの体幹を鍛える
   ・手法をデザインする
   ・即興で対応できる練習をする

  ・デザインの体幹とは
   ・観察・発想・表現力(素早く、たくさん、高品質)
   ・魅力的なコミュニケーション力
   ・創造的なコラボレーション力

 ▼ワークショップはサービスデザイン
  
  例:レッジョ・エミリアのワークショップ
 
 ▼サービスデザインの3つの視点
  ヒトの視点
  モノの視点
  ビジネスの視点

 ▼手法(ワークショップ)ではなく目的が大事

 ▼日本のイノベーションのためのデザインの活用
  デザイン政策ハンドブック2014

 ▼企業がデザイン思考を導入する時の2つの課題
  (1)デザイン思考の取組の共感者をいかに増やすか?
     →コミュニケーションデザインのワークショップ
   
  (2)実際の投資までつながる案件をいかに増やすか?
     →サービスデザインのワークショップ


参照リンク


 UX INSPIRATION!
 

 石川さんのtumblr


懇親会

 懇親会は土間土間 宮益坂店にて。



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