2012年07月03日 HCD-Netサロン Vol.28「マーケティングとUXデザイン」

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 7月3日に行われたHCD-Netサロン「マーケティングとUXデザイン」に参加してきました、
 普段は接点があるようでないマーケティングとUXということで、
 早々に募集定員も満席になってしまう人気でした。

 日時:2012年7月3日(火) 19:00~21:00
 場所:クリエイティブスペース amu(東京 恵比寿)
 パネラー:高広伯彦氏(スケダチ代表)
      安藤昌也氏(千葉工業大学 准教授/HCD-Net理事)
      長谷川敦士氏(コンセント代表/HCD-Net理事)


イントロダクション

 長谷川さん

 マーケティングとUXデザインという視点で、
 広告業界とUX業界の接点があやふやな状態だったりもするので、
 スケダチの高弘さんに登壇いただき、
 UXデザインにも共通する、
 コンテクストマーケティングについてお話いただきました。


コミュニケーションプランニングの実際

高弘伯彦氏
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 今日は、コミュニケーションプランニングの視点から話をします。

 ★Find Something whereever you go.

  コミュニケーションのプランニングでは何を考えなければいけないのか?

▼ボストンの例
 ボストンといえばJFKの街。
 
 ※1875年6月2日にベルが、電話を偶然発明した場所に石碑がある。
  iPhoneなどもここから歴史がスタートした。

           ↓

 いっぽう、空港のなかでは公衆電話の跡が無惨にも放置されている・・・・
 (現代の遺跡)

           ↓
 
 空港のなかを歩くと、充電スタンドが整備されている。
  ※ユナイテッドエアラインが発行しているクレジットカード会社が設置して、
   そこに広告をだしている。

 広告の媒体は、媒体という名前を出した時点で、
 たくさんの人が集まる、人がいる場所に広告を出す。

 広告という名前を捨ててもいいが、
 新たにコミュニケーションをとれる場所を作らないといけない。

 公衆電話がなくなるというイノベーションが起きているので、
 充電スタンドという新しいコミュニケーションが生まれた。

 コミュニケーションの場所は、いろんな方法で解決されている。

 コミュニケーションは多くは、そこに新しい文脈が生まれて来た場合に、
 そこでどんな新しいコミュニケーションを作るかが、一つの手法になる。

▼Wホテルの例
 ホテルの机にサービスのミネラルウォーターと一緒に、
 「車のおもちゃ」が置いてあり、そこに、「going places?」と書いてあり、
 アキュラ(米国版HONDA)の広告が書いてある。
 
  →Wホテルとアキュラのタイアップ。
   Wホテルとしておススメする車としている。

 ※Wホテルは、ビジネスの中にWの文字を入れるようにしている。
 ※Wホテルの客層は、アキュラの客層とマッチングするし、アキュラだからいい。

 ★ただ、パンフレットを置いておくだけでは手にとらないかもしれない。

 ・トイレットペーパーに「BACKUP PLAN」と書いてある。
  ※ホテルなどはある種のエクスペリエンスに基づいて、
   コミュニケーションが設計されていることが多い。

▼実例
 自分たちが旅行したり外に出たりすると、
 コミュニケーションプランの手がかりがいっぱい落ちている、
 それをどうやって作り出すか?

 ・ZWEI ツヴァイ

  タグラインに「結婚相手紹介サービス唯一の上場企業です」とあるが、
  誰に向けて書いているかわからない、
  結婚相手を探す人が「唯一の上場企業」を見てサービスに申し込む理由がわからない、
  
  あるサービスやデザインを使ってもらうには、
  モチベーションを作って上げる要素が重要。
 
  →タグラインを変更した。「結婚したくなるぐらい好きな人さがし」
   結婚相談所の中で頭ひとつ抜け出したタグラインを考えた。
 
  ※結婚相談所の広告は大体出来上がっている
   →ここから抜け出すデザインをしないといけない。
   →よりシンプルなクリエイティブにした。

   ターゲットが接触するであろう、
   他の広告やメディアなどをその市場のコンテクストとして見て、
   何が出来るか考えることが必要。

 ・ヘルシア
  黒烏龍茶とヘルシアの違い
   →黒烏龍茶は脂肪の吸収を阻害、へルシアは脂肪を消費しやすくする。
    ※両方併用しても問題ない。

   
   ヘルシアを買う人は何かを期待して買っている、
   ヘルシアを買うお客さんが、
   ヘルシアというプロダクトだけでは答えられないことを、
   作ってあげないといけない。
        ↓
   歩数管理ができるサイト、体重管理ができるサイトなどを準備してあげる。

   単なるプロダクトにプラスαすることによって、サービスに変換している。

▼今年一番残念だったボツ案

 某茶色いお茶のシュリンクに、ペットボトルを飾れるアイテムをつけてみた。
 
 ペットボトルのお茶を買うと、半日ぐらいは机のうえに置いているはず
  →商品そのものを広告媒体にしてみた。

 ボツになったのは、金額が高くなりすぎた。

▼ポイント
 コミュニケーションをプランニングするというときに、
 広告メッセージ以外にも、いろんなものが語りかけていると考えると、
 町中にあるものすべてが、コミュニケーションプランニングの学びの場となる。

 自分自身がいろんなところにいって、みんなが気づいたいない鍵を探して、
 コミュニケーションのプランニングに活かすことが出来る。

 ★広告とコミュニケーションとの違い。 


UXデザインとサービスデザイン

長谷川敦士氏

 高弘さんとは逆のアプローチでの話

▼UX→SD

 製造の時代
 流通の時代
 情報の時代  

 生活者に対してどんな経験を提供すればいいのかを設計する
  =ユーザーエクスペリエンスデザイン(UXデザイン)

▼UIとUX

 UI
 ・機能
 ・サービス自体

 UX
 ・利用のきっかけや製品イメージ
 ・しばらく使ってみて・・・

▼HCDプロセス
 UXを実現するためのプロセス

▼UXデザインの3階層

 ・サービスデザイン
   →提供サービス自体/ビジネスモデル

 ・アクティビティデザイン 
   →サービス実現のための体験全体/シナリオ

 ・インタラクションデザイン
   →タッチポイント/UI

 ★全体に言えることは「提供価値の実現」

▼提供価値
 提供価値→Value Proposition→なにをなすべきか

▼実際にどうするか

 ・エスノグラフィによる生活価値の抽出
  →価値マップ

▼サービスデザイン
 
 ・カスタマージャーニーマップ/エクスペリエンスマップ
  →顧客との接点と使われ方などを可視化したもの。

   ・ステークホルダー
   ・フェーズ
   ・イベント/利用チャネル
   ・気持ち/テンション
   ・ユーザーゴール

  ※ジャーニーマップの書き方はいろいろ。

▼ビジネスモデルキャンバス
 例:iPodのビジネスモデルキャンバス

▼アクティビティデザイン
 ・ペルソナ/シナリオ
 ・UXフロー
 ・サイトストラクチャ

▼インタラクションデザイン
 ・プロトタイピング

▼高広さんの話をうけて
 広告は出せば見てもらえるという考え方が若干UX側にあるのではないか?


UXデザインの実際

安藤昌也
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※コンサルタントとしての視点

▼UXデザインその前に・・・
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▼ユーザー体験をデザインコンセプトにする有効性IMG_2253


▼実利用体験とユーザー心理
 実際の利用体験では、出来た出来ない関係なしに、
 モチベーションが製品評価に影響してくる。

 モチベーションは「製品への興味」「操作への自信」の2つから構成される。
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 ※UXDではマーケティングも止まって考えない、成長することを考える。


▼User Experience Supply Chainの構築
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休憩

ビール飲んじゃいました。
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パネルディスカッション

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▼ユーザー/顧客に製品の提供するUXをいかに伝えるか

 ・高弘さんはツヴァイやヘルシアの、
  そもそもの製品コンセプトをどうやって受けて、それをどう飛躍や否定をしたか。

  →ツヴァイは否定したが、ヘルシアは否定していない、
   製品を「こうでありたい」という姿のギャップが何かなのか考える。

 ・こうでありたいという姿?は企業側は適切に描けているのか、全うなのか。
  →全うでないことの方が多い、
   自分たちの提供しているサービスが何なのか、再認識してもらう。

 ・アプローチの仕方
  そもそもツヴァイは何に困っていたか
   →ブランド力とコンバージョンを上げたい。
 
   どんなにブランドが頑張っても、イメージの良くないカテゴリはあるので、
   戦略としてそのカテゴリを変える。

 ・ツヴァイだからの強みは?
   →イオングループなので、イオン店内の中に入っていることが多い。
    イオンのカラーをユーザーはよく見ているので、
    それを上手く使うことができる。

 ・サービス自体を見直すことは?
   →彼らはサービスの見直し自体はよくしている、
    サービス自体の見直しにブランドイメージが追いついていない。

 ・こうありたい姿の具現化
   →タグラインでドメインを明確にする、
    タグラインの明確化が自分たちのビジネスの明確化にもなる。
 
    ※ドメインといっても3つぐらいある
     (ビジネスドメイン・サービスドメイン・ブランドドメイン
      ツヴァイはサービスドメイン
 
 ・タグライン
  →体験させたいエクスペリエンス、ターゲットへのメッセージ

 ・競合の調査/利用者の分析は?
   →パブリックコンテクストを、環境として競合を見る。
       
   ・コンシューマーコンセプト
     →消費者自身が日常的に持っている文脈

   ・ブランドコンセプト
     →その会社自身が持っているブランドの文脈

   ・インダストリーコンセプト
     →そのサービスや企業が所属しているブランドの持っている文脈

   ・パブリックコンセプト
     →新聞や雑誌などで語られるコンセプト

   ★この枠組みはUXデザインでも取り入れられる。

  
 ・可処分時間
  数分の空き時間を潰すものは携帯ではなくて別のものではないか?

  → 例:電車を待っている時間
      携帯ではなくて、キオスクで売っている
      ダウンサイジングしたお菓子がライバルかもしれない。

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▼最近の出版社
 読者に聞いて本を作ることが一般化している。
 →ニーズではなくてバリューを考えないといけないといけないのに、
  ユーザーの意見を直球で取り入れている。(ユーザーニーズ至上主義)

▼インダストリーコンテクスト
 コンシューマーコンテクストとの違いは?
 →業界常識みたいなものがある、それがバリアーになっている

  業界常識だけでいくと、みんな話を聞かないので、
  パブリックやコンシューマーコンテクストなどの、
  いくつかの視点から見ることが大事。
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質問タイム

 ▼自社での業界常識を打破するためには?

 ・リバースエンジニアリング
  →プロダクトデザインでも利用できる。
   正しい答えはでないかもしれないが、
   自分なりの解釈を積み重ねていき、解析力を付ける。

   その結果をどうやって説得するのか?
   定量的な調査では人を説得できないことのほうが多い、
   コンシューマー視点から説得する。

 ▼ツヴァイの件
  タグラインで「結婚相談所で唯一の上場企業です」が刺さるユーザーもいるのでは?
  結婚という人生の一代イベントで、安心する企業にお願いしたいユーザーもいるのでは?

  →仮説なき定量調査は意味がない=ユーザーに聞けばなんでもわかるシンドローム。

   変なバイアスがかかっているのでは?


雑感

内容は濃いものだったのですが、
後半の質問タイムで、質問者以外が放置された感があったので、
懇親会タイムは最後にして、
質問が足りない人はそこでディスカッションしてもらったほうが、
いいかもしれませんねー。

高弘さんの本を買ったので、
「4つのコンセプト」のフレームワークは、
機会があればワークショップの中に取り入れたいですね。



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