2012年度 HCD-Netフォーラム「HCD・UXの学びと人材」2012年05月19日

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5月19日に行われた、
2012年度 HCD-Netフォーラム「HCD・UXの学びと人材」に参加してきました。


■テーマ:「HCD・UXの学びと人材
■日 時:2012年5月19日(土)
フォーラム:13時~17時30分 懇親会: 18時00分~
■場 所:東海大学 高輪校舎4号館2階 交流会4号館地下コメドール)
■主 催:NPO法人 人間中心設計推進機構


場所が東海大学高輪キャンパスということで、
品川駅から徒歩で15分ほど・・・
初めて来たので場所がわかりにくい。
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hcd-net理事 安藤先生のご挨拶

 今回のフォーラムはHCDとUXの人材育成についてテーマを設けています。
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基調講演

 パターン・ランゲージによる経験のマイニングと共有
 慶応義塾大学 総合政策学部 准教授 井庭崇
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▼自己紹介
 創造性の理論と方法論の構築を専門に研究している。
 →個人、組織、社会が、いきいきと創造的であるとは、どういうことか?
  また、どのように支援できるのか?

▼学生の論文
 学生達と論文を書いていた、
 論文は英語で文章を書くことが必要とされるが、
 日本の英語教育だけでは、英語でどう書けばよいのか、わからない。
 なかなか筆が進まない。

 →アドバイスとして、それに関連する文献
 (海外のファッションや女性の生き方の書籍)を
  見ながらディスカッションを進めるようにした。
 →言葉や言い回しを書きながら学んだ。
 →同じ意味の単語のどれを使えばいいのか、英語でのニュアンスがわからない、
  英語らしくない文章になってしまうという問題が発生した。
 →英英辞典を見ることにした。英英辞典は英文で説明してくれる。

 →日本語と英語の単語の対応関係ではなく、
  英語でのニュアンスを調べて、言葉を選んだ。

  ※語彙がないと書けないので、
   知りたい英文を調べながら進めた。

  このときは上手くいったが、
  このコツをずっと意識して続けて行く、
  または新しいメンバーに共有するなどする必要がある。
  (伝説にしてはダメ)

 →このコツをなんとか分かりやすいカタチで。

▼パターンランゲージ化(1)

「学びながら書く」
 得意でない英語で文章を書いている
   ↓
 英語でどう書けばいいのか、わからない。
 なかなか筆が進まない。
   ↓
 言葉や言い回しを学びながら書く。

 ※これに「学びながら書く」というタイトルをつける。

▼「学びながら書く」
 得意でない英語で文章を書いている Context
   ↓
 英語でどう書けばいいのか、わからない。 Problem
 なかなか筆が進まない。
   ↓
 言葉や言い回しを学びながら書く。 Solution

▼パターンランゲージ(2)
 「その言語でのニュアンス」

  得意でない英語で文章を書いている。
    ↓
  同じ意味の単語のどれを使えばよいのか、
  英語でのニュアンスがわからない。
  英語らしくない文章になってしまう。
    ↓
  日本語と英語の単語の対応関係ではなく、
  英語でのニュアンスを調べて、言葉を選ぶ。

 ※パターンランゲージを制作する際に、大事なのは、
  Problemが明らかになっていること。
 ※Solutionを共有することはみんなするが、それだけだと形骸化してしまう。
  コツを共有するときにはそれがどんな背景としてできているか、
  ProblemやContextを伝えることが大事。

 ※パターンランゲージを作っておけば、スケジューリングにも使える。
  ↓
  パターンランゲージのパターン。

 ※Patternは単独で存続しているわけではなく、関係性を持って、
  言語としての機能を持っている→パターンランゲージ。

▼パターンランゲージ
 特定領域における「デザインの知」(design knowledge)
 =デザインとは問題発見・解決である。

  ※SolutionとProglemが同じぐらいのウェイトになっていないとだめ。

▼クリストファー・アレクサンダー
 住民参加型のデザインを行うためにパターンランゲージを作成した。
 自分たちの街は自分たちで作っていかないと、建築は間違った方向へ行くと考えた。

 ただ、プロフェッショナルの建築家がいないと進められないので、
 住民が建築家の言っていることを理解するためにパターンランゲージを利用した。

 単なる手続き的なマニュアルではなく、一個一個のパターンが、
 全体として生き生きとした質を生み出すために探求や

▼パターンランゲージの応用
 ソフトウェアの分野で利用してはどうかと提案した。
  ・Kent Beck
  ・Ward Cunningham

  Gang of Four(Gof)がソフトウェアのデザインパターンという考え方を著書にして、
  爆発的に広まっていった。

 ※この影響で、最近では色々な分野でパターンランゲージの考え方の展開が始まっている。

▼学習パターンの全体像

 例:まずはつかる
   よくわからないこそ、まずはどっぷりとつかってみよう。

 例:「まねぶ」ことから
   学ぶことは、真似ることから。
 
▼プレゼンテーションのパターン
 →創造的プレゼンテーションのパターン・ランゲージ
  34個

▼Experience Mining and Dialogues
 経験を掘り起こし、対話の遡上に載せる。

▼パターンランゲージを用いた対話ワークショップ
 ラーニングパターンとプレゼンテーションパターンを7つずつ選んだシートから、
 自分の経験したことのあるものにチェックをいれる、
 また、これから自分がやりたいことをチェックし、
 周りの人とディスカッションし、
 自分のやりたいことをやったことのある人を探して話を聞く。

▼ワークショップ
 20分で6人ぐらいと意見交換
 150人のワークショップはすごい。
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 普段であれば経験出来ていないことを、パターンランゲージを使って、
 掘り起こして対話し、理解する。

 話をしているとだんだんリラックスしてくる、
 それは、相手が知りたいことを聞いてくれるから、
 フラットでフレンドリーな関係で、
 対話をすることができる。

 ※SFCでは初年度教育として、450人でワークショップをしている。

  自分の中にないものでも、他人の中に経験が存在している。
  人により多様性があることを理解、共有し、自分の経験に活かす。

 ※パターンランゲージは自分の経験を可視化することができる。

 ※体験したことがあることを集計して、分析すると、
  関係性が可視化され、
  経験によってつながるSNSなども考えることができる。

▼パターンランゲージ 3.0
 当初はそこまで盛り上がるとは思っていなかった。
 (冊子を作るだけだと読まれないので、ワークショップをしてみた。)

 ・方法としてのパターンランゲージの進化
  
  1.0は建築。対象は建築家と住人
  2.0はソフトウェアや組織。 玄人のデザイナーの発想を素人のデザイナーが学ぶ。
  3.0は人間的なデザイン(学びや未来)
     多様な経験を持っている人たちに橋を掛ける。

▼パターンランゲージの作り方
 多様なメンバーによる協同的なパターンの掘り起こし/記述/改善

 1.ブレインストーミング+KJ法 
  まずは全体像を見てから、細かくしていく。

 2. インタビューによる方法
  とにかく実践知を集める。

 ※現在、作り方の作り方を研究中。

▼ラーニングパターンの作り方
 認知科学者が作った訳ではなく、学部生が作った。
 理論というよりは、実際の生活の中での経験を重視した。

 ・とにかくブレストでアイデアを出して、KJ法。
  アイデアを出して、それに対してコメント・ブレストして、またアイデアを出す。
 ・それをマップ化
  とにかく書いて書いて修正修正を行った。(数ヶ月)

 ・パターンランゲージは「枠にはめる」ではなく、「自分たちで枠をつくる」もの。
 
 ・KJ法での実施の際は、プロブレムとコンテクストでまとめていく、
  ソリューションで纏めない。

 ・絵も自分たちで書いている。

▼スーパープレゼンテーション
 アイデアの伝え方をプレゼンテーションパターンを使って解説している。
 http://www.nhk.or.jp/superpresentation/

 達人のものをそのまま受け入れると、スゴすぎて理解できない、
 それをパターンランゲージを架け橋にして、読み取りやすくしている。

▼創造的な学びの教育パターン(インタビューのパターン)
 with 市川力先生 (東京コミュニティスクール

 クリエイティブラーニングのパターンを可視化するため、
 12時間ぐらいぶっ通しでインタビューした。

 最初はこだわりをどんどん聞いていって、
 会話が途切れたときは、なぜそのこだわりなのかを、
 聞いていく。

 ソリューションをキーとして、
 プロブレムやコンテクストを探っていく。
 こだわりやコツを細かく聞く
 この3要素をインタビューで明らかにしていく。

 ※学部生で、育児のパターンランゲージを作った子もいる。
  →論文はこちら(PDF)

▼暗黙知を言葉にする。
 →全てを言葉にすることは出来るわけではないが、
 出来ないからといってあきらめない、
 インデックスを作成する。
 指し示すための言葉を作り、
 それを使って、コミュニケーションを取ったり、ディスカッション出来るような、
 方法をつくる。

▼パターンランゲージの授業映像

 SFC-GC(Global Campus)

 iTunesU
 

▼今後
 コラボレーションのパターンランゲージを作ろうとしている。
 KJ法だけで16時間やっている。

 その過程も記録として残している。
 http://vimeo.com/41613781

 ※2012年11月発表予定!
 
▼まとめ
 作り方を皆さんと共有することによって、
 自分たちのコミュニティのパターンランゲージを作って行って欲しい。

▼質問
 ・本は出ないの?
  →本として出版する予定
 
 ・今日のワークショップで使ったパターンランゲージの選択基準は?
  →今回はhcdnetということで実践的な人が集まっているので、
   基本的なことよりは、より魅力的なものを作れる項目を選んだ。
 
 ・パターンの作り方の3種。
  デザインの場合、どこまで作り込みをするのか?
  →プロブレムの理由はフォースという。
   あくまでも例として一例を上げる程度、
   具体性は作るものによって違ってくる。(この冊子のパターンにならない場合もある。)

   読者が読んだときに想起出来るようなものを作る。


総会報告

 事務局長 鱗原さん

 

パネルセッション紹介 各セッションリーダー

 Aセッションリーダー 和井田さん
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 Bセッションリーダー 郷先生
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 Cセッションリーダー 長谷川さん
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今回は、
パラレルセッションということになっていて、
私はセッションCの「これからのビジネスとHCD」を聴講しました。


セッションC

■楽天の坂田さん

「LeanUXとこれからのHCD」
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 ・楽天5年目
 ・UXデザイナー
 ・人間中心設計専門家

▼UX
 ・HCD:従来の人間中心設計技法
 ・Agile:価値重視のアジャイル開発
 ・Lean:顧客開発とアジャイル開発による試行錯誤を重視した
      ベンチャー向けの経営手法

▼LeanUX 
 Lean StartupのコンセプトをHCDに取り入れ、
 アジャイルなチームマネジメントをも可能にする手法体系。

 ・顧客開発→MVP→検証による学習

▼顧客開発 Customer Development
 
 大きくわけて4つのプロセエス
  ・顧客の発見
  ・顧客の検証
  ・サービスのスケール
  ・組織のスケール

  この内の2つを取り喘げる。

▼HCDのエッセンス
  顧客の発見・顧客の検証
       ↓
  ・ユーザーの目的とニーズの把握(インタビュー、ユーザプロファイリング)
  ・MVPの定義(オブザベーション、スケッチ、プロトタイピング)
  ・想定させるフロー(構造化シナリオ)

       ↑方向転換(Pivot)

  ・ビジネスモデル(ビジネスモデルキャンバス)
  ・サービスのロードマップ(カスタマーエクスペリエンスマップ)
   
▼MVP Minimum Viable Product
 最低限持続可能なプロダクト(スタートアップにおいて丁度良いプロダクト)
 
 誰にも使われないプロダクトと、競合他所より劣るプロダクトの間

▼LeanUX Cycle
 Think(オブザベーション・調査)
 Make(プロトタイプ・仮説)
 Chack(ユーザビリティテスト・アクセス貝瀬k氏)

 ※MakeのところでAgileの手法を入れる。
 ※ThinkとMakeはインタビューとかでも使える
 ※作ることを短くするわけではない、サイクルを短くする

 ※LeanUXの無駄をなくすというよりは、無駄から学ぶ。

 ※要件定義は仮説ベースで進める、固めない、
  そうすることで、チームメンバーが仮説を検証するというマインドが生まれる。

▼検証による学習 Validated Learning
 ・Ideas(アイデア)
 ・Code(設計・開発)
 ・Data(データ蓄積)

▼MVD Minimum Viable Document
 LeanUXで成果物やドキュメントは無駄。
 これからはプロトタイプがドキュメント替わりになる。
 ※まずはプロトタイプを作って、テストすればいい。

 とはいっても、
 チームメンバーでの共有にはある程度の資料が必要。

 ・プラグマティックペルソナ
  必要なデータだけのペルソナ

 ・6upスケッチング
  ユーザーの利用体験を10分で6つ書く。
  ※10分で考えることが大事、
   シナリオだけでなく、プロトタイプでも使える。

▼LeanUXを加速させる5つのポイント
 1. 成果物ではなく、エクスペリエンスをデザインするいことに重視をおく
 2. ソリューションではなく今考えている問題に着目する。
 3. 証拠ありきの意思決定を迅速に行う。
 4. 協同で作業するアプローチを取る
 5. イテレーションを繰り返すことによって、より精度の高い結果を導く。

▼なにが新しくて、何が古いのか?
 ・これまでのHCDと変わらないアプローチ
  実際のユーザを前に、クリッカブルなプロトタイプを用いたテストを既に実践している。
 
 ・UXを基軸にした事業戦略の立案
  低コストかつユーザにとって最も価値のあるものは何か、そして必要としないものは何か
  を計画的に実践し、より良いデザインによりスマートなビジネスを実現する。

 ・Think - Make - Check
  何を考えるのか、何を創れば正しい答えにたどり着けるのかを考えることに時間を費やす。

 ・効果的な学習
  ユーザーから十分に学ぶことができる範囲にとどめてプロダクトを創ることで、
  ROIや正しい意思決定をもたらしてくれる。

▼参考文献

 ・An Introduction to Lean (Lean へのイントロダクション)
  

 ・#LeanUXja - 実践的 User Experience ワークショップ
  

 ・Agile UX New York City 2012
  

 ・第7回 #ShibuyaUX Meeting "Lean UX Special"
  

 ・#NCC2011F - THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2011 Fall
  

 

■ビジネスモデルを活用したアクティビティ

 山崎先生
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 1.ビジネスモデルとHCD
 2.ビジネスモデルとUXワークショップ
 3.ビジネスモデルの活用

▼ビジネスモデルとHCD
 ユーザー視点(HCD)
 対象とする顧客、顧客への価値の創造
 →人間の理解とモデル化が必要。

 今後はビジネスとのバランスも考えなければならない。
 
 例:CAのビジネスモデル

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 ユーザー視点のモデルとビジネス視点のモデルに、
 隔たりがあるのではないか?
 両方を一つの遡上に載せて議論することが必要。

▼ビジネスモデルとは。
 ビジネスモデルとは、どのように価値を創造し、
 顧客に届けるかを論理的に記述したもの。
 
 ビジネスモデルのコンセプトは、
 4つの領域(顧客、価値提案、インフラ、資金)をカバーする、
 9つの構築ブロックで構成されている。
 
 このビジネスモデルは、組織構造、プロセス、システムを通じて、
 実行される戦略の青写真となる。

▼ビジネスモデルキャンバス
 今までは企業視点からモデルを考えていた。
 必ず、顧客視点で考える。

▼ビジネスモデルとエクスペリエンスデザインワークショップ
 コンセントでのワークショップ事例(企業レベルでのビジネスモデル)
 千葉工大でのワークショップ事例(個人レベルでのビジネスモデル)

▼ビジネスモデルを活用したアクティビティ
 ビジネスモデルの活用産学プロジェクト
  →中間廃棄物処理工場をデザインする。

 1. ビジネスモデルの追求
 2. マテリアルライブラリー
 3. モノの履歴をまとめる
 4. 使用方法のレシピ作り

 ※人、モノ、ビジネスという視点から、
  ビジネスモデル検討会を実施した。


■HCD Phased Approachの紹介

 コンセント長谷川さん
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 階層性からのHCDプロセス視点について。
 
▼HCDプロセス ISO9241-210
 コンセントのプロジェクトは、通常の画面設計や調査など以外にも、
 ユーザーエクスペリエンスの調査から実装や、
 サービスデザインなどのお手伝い案件もある。

 観察からasisの現状モデルを作成し、
 それからTobeのモデルを作成して、
 そこからどんな価値を与えるかというようなこともする。

 ユーザー調査をするといっても、
 色々な使われかたがあり、それを整理しないと、
 プロジェクトの中でユーザー調査をどう取り入ればいいのか、
 わからなくなるということに懸念があったため、
 早川さんの構造化シナリオ法に影響を受けて、
 UXデザインの3階層として整理した。

▼UXデザインの3階層

サービスデザイン

   ・サービス自体の価値定義
   ・ユーザー価値、ビジネス価値双方からの検討(収益モデルについても)
   ・エスノグラフィ調査にも基づき、方針策定

   納品物:エスノグラフィ調査レポート
       価値マップ(ジャーニーマップ)
       サービス戦略定義書

アクティビティデザイン
(※よくUXデザインと呼ばれるもの)

   ・サービス実現のためのシナリオ定義
   ・利用文脈調査に基づき、メンタルモデルやシナリオを検討
   ・IAに反映

   納品物:調査レポート、利用シナリオ(UXフロー、ストーリーボード)
       情報アーキテクチャ設計

インタラクションデザイン

   ・具体的に操作する画面やインターフェイスをプロトタイプに基づき検討
   ・利用シナリオに基づき、複数のプロトタイプを用意し比較検討

   納品物:UI比較検討レポート
       プロトタイプ

 ※既存事業へ方針変換を伴うサービスデザインは、事業戦略まで及ぶことがある。
  そうでなければエスノグラフィ調査までする必要がない。
 ※アクティビティデザインまでいくまでに半年ぐらいかかることがある、
  社内体制や事業の収益モデルまで変える必要もあるため、時間がかかる。
 ※企業から依頼があった場合、上記の3階層を共有して、
  何をやろうとしているのか、状況を共有、理解することにより、
  プロジェクト設計がコントロールしやすくなった。

 ※構造化シナリオの手法はWebデザインをするためのレイヤーの使い方として有効的。


▼提供価値のビラミッド

差別化要素

   ・付加価値要素のなかでも、特に競合の商品・サービスに比べて
    特筆すべきものがあり、サービス自体の特徴をなすもの
   ・サービス自体の社会認知やブランディング要素ともなりうる。

 

付加価値要素

   ・一般の水準を超えて提供される、より利用者のニーズや状況に即した
    商品やサービス。銀行商品においては、手数料の優遇や、ATM数など。
   ・利用者がより価値を感じる原因となる。

 

基本価値要素

   ・商品、サービスにおいて、あって当然と考えられているもの、
    銀行商品では、たとえば預金の保全や、送金サービスなどが該当する。
    この部分が損なわれると、利用者はサービスから離れていく。
   ・付加価値、差別化要素の実現においては、まず提供が保証されている必要がある。

▼ブランディングを考えた場合の改善示唆マッピング

Solution: A

  [意外]×[難]=[ブランド構築]
   実現する難易度が高く、意外性も高いエリア。
   このエリアのサービスを実行できれば、
   新たなブランド価値を創造することができる。

Solution: B

  [期待]×[難]=[ブランド維持]
  実現の容易度は高いが、既に顧客から求められている、
  もしくは同業他社で既に行われているサービス。
  業界をリードするブランドを維持するために必要なサービスと言える。

Solution: C

  [意外]×[易]=[マネされる]
  意外だが容易く取り組めるので、競合他者にも真似され、
  話題性は高いがブランド構築には至らないサービス

Solution: D

  [期待]×[易]=[当然]
  期待されており、実現も容易に行える、
  できればすぐやるべきサービス群。
 
  ※もちろんコストも考える。

▼アクティビティデザインのプロジェクトパターン
 =UXデザイン

 ・利用文脈調査(Asis)
 ・メンタルモデル分析
 ・UXフロー定義(Tobe)
 ・情報アーキテクチャ設計
 ・インタラクション設計

▼インタラクションデザイン

利用文脈調査

  ・Contextual Design
   インタビュー結果の5つのワークモデル形式での分析

メンタルモデル分析

  ・ユーザーセグメントの定量的な裏付け、優先順位付け(数的な検証も含む)
  ・意思決定の要因

UXフロー定義

  ・利用者文脈とサービス文脈の融合をフローチャートで作成。

UXフローに基づくIA

  ・ハイレベルサイトストラクチャーに、UXフローを融合
  ・ストーリーボード

画面設計

  ・詳細なUI設計(A、Bパターンを作り、UXフローに基づき検証)
  ・画面のビジュアルデザイン

 ※アクティビティデザインとインタラクションデザインはだいぶ混ざっている部分もあるが、
  流れを意識しないと、インタラクションの細かい詰めができない。
  アクティビティデザインを詰めた上で、インタラクションデザインを行う。
  

パネルディスカッション

 パネルディスカッションは、3人の講演者のビジネスに関わる部分を中心に、
 ディスカッション。
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▼LeanUXの要素
 主要なプレイヤーの三角関係の図

  ・ステークホルダー
  ・ユーザー(UXデザイナー)
  ・デベロッパー
 
  ※UXの手法を学んだレイヤーがスタートアップにはなかなかいない。
  ※プロダクトオーナーにユーザー側が隣接して、関わることが理想。

▼パネルディスカッション
  
 長谷川さん:なぜ日本では、デザイナーがスタートアップに関わることが少ないのか?
       ビジネス側がデザイナーを招き入れることをよしとしてないのか、
       ビジネスの領域にデザイナーが入ることを躊躇しているのか?

 坂田さん: デザイナー側からビジネス領域に踏み入ること自体に、
       ビジネス側から不信感がある。
       UXデザイナー側がビジネスモデルキャンバスなどを使って、
       ビジネス側に働きかけることが必要となってくる。

 長谷川さん:ビジネスモデルキャンバスのアプローチはデザイナー向けに実施しているのか?

 山崎さん: そんなことはない、経営者向けにも実施している。

 長谷川さん:ビジネスモデルキャンバスを利用して、経営者が問題を再認識したとして、
       それを解決するためにデザイナーを入れようとは思わないのでは?

 山崎さん: 問題を解決してくれる人であれば、デザイナーだろうと誰でもいい。

 長谷川さん:手伝ってくれる人がデザイナーだとは思わないってことでしょうか?

 坂田さん: 「なぜUXデザイナー側からビジネスモデルが出てくるのか」という経営者、
       サービス提供者は経営者側だというバイアスがあるのでは。
       いっしょに作っているが、垣根が見えにくい。
       デザイナーの視点を経営者が持つのがいいのでは。

 長谷川さん:デザイナー向けにビジネスモデルのワークショップを実施しているが、
       デザイナーはどう考えているか?

 山崎さん: ビジネスと聞いただけで、躊躇する学生がほとんど。
       今回はだまされたと思って学生に参加してもらったが、
       今までのワークショップの中でも一番良かったという学生もいた。
      
       積極的にビジネスを考えると、新しいデザイン提案の視点が見えてくる。

 長谷川さん:教育視点からいうと、
       ビジネス的な視点はどのタイミングで取り入れるのがいいのか? 
       ビジネスモデルを作ってもしょぼいものが出来てしまうのでは?
       教育プランとしては、どこまでやるのか?
 
 山崎さん: 社会にでるためには、
       自分のパーソナルビジネスモデルを作っていく必要があるため、
       今後は、学生でも必須になるのではないか。

 坂田さん: ビジネスモデルキャンバスでは、ビジネスモデルを作っているわけではなく、
       ビジネスのデザインのお手伝いをしているだけという意識が大事では。
       ビジネスモデルキャンバスを使って、デザインしているものを再確認し、
       上流を意識することができるようになるのがいいのでは。
  
 長谷川さん:HCDの範囲は元々広いが、更にビジネスの観点も入れていくと、
       教育プランはどうなるのか?
       ビジネスモデルはどういって学んでいくのがいいのですか

 山崎さん: ユーザー調査などをすると、それが「企業の価値」に繋がることがある、
       ユーザ側のインタビューだけではなく、企業側のインタビューを行い、
       ビジネスモデルを可視化する。
       (企業側の人は自分のビジネスの価値に盲目的になっている。)
       デザイナーが企業の新しい価値を見いだすと、
       関わる社員のモチベーションも高くなる。

 長谷川さん:Leanのアプローチはユーザーの価値前提で進められるはずだが、
       企業側の提供する新しい機能や価値を活かすことはフォーカスされるのか?

 坂田さん: Leanは元々は経営手法。
       ビジネスモデルキャンバスを行う意義を見出していないことが多い。
        (HCDの利用の特定)
       →全体のバランス感を見るには適しているのでは?

       機能を見ることは黒字化するためにも大事なので、考えることもあるが、
       新しい機能が本当にユーザーに必要なものかどうか、
       ユーザーの利用状況の特定をする必要がある。(利用中心設計)

 長谷川さん:実現性の検証は。ビジネスの方針のピボットは?
 山崎さん: ビジネスモデルキャンバスがあることで、
       経営者とデザイナーが一つの場所で議論をすることができる。
       (デザイナーからの意見だけでは、反論される。)
       共有するとピボットも納得して変更できる。

 長谷川さん:LeanUXの中でのピボットのスケジュールなどはあらかじめ考慮しているのか?
 坂田さん: 考慮されていない。
       不確実性を確実性に向けるのがピボット。
       スタートアップはピボットしても数%しか成功していない。
  
       失敗した要因はいくつかあるが、ピボットのタイミングを見極める必要がある、
       スタートアップのピボット方法は書籍で8種類定義されている。

 長谷川さん:ビジネスモデルキャンバスやLeanUXを
       やりたい企業は増えてきているかと思うが、
       現状としては感触どうか?

 坂田さん: 考えてないということはないが、カタチになっていなかったり、
       課題の特定にまでなっていないことが多い、
       UXデザイナーは、それを整理し、特定することが必要では。

 山崎さん: 大企業は大変だろうな、
       なかなか変わりにくい。
       今は中小企業で実証をしているところ。
       今、仙台の幼稚園のデザインをしているが、
       やり方のイメージは出来て来た。

 長谷川さん:アダクティブパスの元代表に話を聞いたら、
       地味に企業の担当者と話をして、事例を積み重ねるしかないといっていた。

 坂田さん: 別のイベントで聞いた話だと、
       トップから変えないといけないので、なんとか時間をつくって、
       ランチミューティングなどで、お客さんに耳を傾ける。


質疑応答

 Aさん: (1)フルバージョンのHCDに比べてLeanとどこに差があるの?

 坂田さん: HCDの平均時間はプロジェクトにより違うが、
       全てをやる必要はないと思っている、
       省くとすれば、仮説検証の部分を「誰に提供するか」
       「どのように使ってもらうか」程度で、
       プロトタイピングに入ればいい。

 Aさん: (2)具体的な事例は?
        
 坂田さん: 楽天では3人のリーダーで意思決定をしていて、
       坂田さんがUXの意思決定を行っている。

       数字的な結果はまだ測定できてないが、
       意思決定が早くなったりなどの効果は出て来ている。

       ビジネスモデルキャンバスとUXジャーニーマップとプロトタイプは、
       同時に作っている。
       ゆっくりしすぎると、リリースするころには、
       マーケットニーズが変わってしまう。
       プロトタイプを作りながらユーザー検証を行い、
       そのフィードバックを次に活かしている。

 Bさん:  ECサイトでのユーザーは2種類考えれるのでは、
      「商品を提供する店舗」と「購入するユーザー」、
       どちらのユーザーをどれくらい考えればいいのか? 

 長谷川さん:ユーザーの利便性を上げる施策を提案したが、
       実店舗での利便性が下がるのではないかと懸念が発生した。
       まずはユーザーの利便性を考えたうえで、
       ただ、それが売れる商品として成立するのか、
       チューニングしながらサービスをリリースした。

 山崎先生: ビジネスモデルを複数で考える。

 坂田さん: アメリカのECサイトの事例
       まずはユーザーに買わせることをMVPにした。
       実店舗では、手作業で発送している。

 Cさん:  デベロッパーとの対話において、ビジネスモデルキャンバスの効果は?
              
 坂田さん: 無駄な機能を開発しなくなった。


参照リンク

 ・参加者のブログ
   情報デザイン研究室      

 ・Togetter
  2012年度HCD-Netフォーラム「HCD・UXの学びと人材」 #hcdnet  

  2012年度HCD-Netフォーラム パラレルセッションA「働きながら学ぶ?HCDにおける人材育成」 #hcdnet


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