HCD上流工程の手法と発想手法ワークショップ 2011年12月13日

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12月13日(火)に行われた、
HCD-Netのセミナーに参加してきました。

産業技術大学院大学の履修プログラムで、
XB法は体験しているのですが、
振り返りのために、もう一度体験したくて、
参加して来ました。


アジェンダ

 HCD上流工程の手法と発想手法ワークショップ

 14:00〜14:30 HCDにおけるコンセプトと発想手法について
         山崎和彦
 14:30〜15:00 HCDにおける視覚化手法について。
         浅野智
 15:10〜15:40 ワークショップ「体験からの発想」 
         山崎和彦
 15:50〜17:50 ワークショップ「XB法」
         三澤直加


■HCDにおけるコンセプトと発想手法について

 山崎和彦
R9140615


■総合的なユーザー体験を捉えるには。

  体験を捉える
   →できごとを時系列という視点でとらえる(時間軸)
   →できごとを環境・状況・場所という視点でとらえる(環境軸)
   →どのような人間の状況であるかという視点でとらえる(人間軸)

  例:Experiece Map for TV user

■デザインコンセプトのための手法

 ▼デザインコンセプトとは
  デザインコンセプトとは、デザインに関わる方向性をまとめた
  基本的な概念のことである。
   ・デザインコンセプトとは、対象となる商品のデザインに関わる、
    全体を貫きとおすような基本的な概念のことである。
   ・具体的には、対象ユーザーの情報、対象ユーザにとっての価値や体験、
    商品の概要、商品のイメージ、商品の使い方などの、
    デザイン全般に関わる方向性をまとめたものである。
   ・デザインコンセプトは商品のデザインを方向づける目標となり、
    それ以降のデザインワークの内容を規定する意味でも重要である。
   ・特に商品開発の場合は、新製品開発への投資額が大きいので、
    慎重な計画が必要となる。商品企画段階で、
    十分にデザインコンセプトを練り上げる必要がある。

 ▼デザインコンセプトとインタフェースコンセプト
   
    デザインコンセプト(ユーザーにとってうれしい体験)  
           ↓
    プロダクトコンセプト
    デザインコンセプトのためにプロダクトで工夫した特徴
           ↓
    インタフェースコンセプト
    デザインコンセプトのためにインタフェースで工夫した特徴

 ▼インターフェースコンセプト
   ●デザインコンセプト(ユーザーにとってうれしい体験)
    ・電車の中で簡単に作曲することができる。
    ・電車の中で音楽を楽しく聞く事ができる。
    ・自分の作曲した曲を、友人にプレゼントすることができる。

   ●プロダクトコンセプト
    ・電車の中で携帯しやすい形
    ・電車の中で音楽を操作しやすい形
    ・楽器のようなメタファによる親しみやすい形と機能。
    
   ●インタフェースコンセプト
    ・ハードウェア画面の曲面を活かされているインタフェース
    ・分かりやすくするための少ない階層とアイコン
    ・楽器のような、音楽を視覚的にも楽しめるインタフェース

 ▼プロダクトとインタフェース
   体験のイメージ
      ↓
   プロダクトのイメージ
      ↓  
   インタフェースのイメージ

  例:WrapStoveのシーン

    ※ユーザーの体験が上位にある。

 ▼デザインコンセプトのプロセスと手法

  1.必要な情報の収集と目標の明確化
   デザインコンセプトを策定するには、必要な情報を収集し、
   どのような点を目標とするかを明確にする必要がある。

  2.デザインコンセプトの起案と発想
   デザインコンセプトの起案と発想とは、目標に向けて起案し、
   具体的なアイデアを発想することである。

  3.デザインコンセプトの視覚化
   ユーザに提供する価値が実際にどのような形で見えるのか、
   ユーザがどのように経験をできるのかということを具体的に文字、
   絵やプロトタイプで表現することである。

  4.デザインコンセプトの評価
   デザインコンセプトを視覚化したものを、早期にユーザ支店で評価・
   検証することは、デザインコンセプトの目標を効率よく、
   効果的に達成するために重要である。


■デザインの発想法。
 
 ▼発想法とは
  デザインにおける発想法とは、新しいアイデアを生み出すことを支援する手法
  
  ●発想のためのアプローチ
   ・問題解決型アプローチ
   ・提案型アプローチ
  
   ※どちらのアプローチをとるかによって、
    重要度が変わってくる。

   ★アップルの例:アップルは提案型かと思われがちだが、
           提案型と問題解決型を組み合わせているのではないか。

  ●代表的な発想法
   ・発散技法(代表はブレスト)
   ・収束技法考支援(代表はKJ法)
   ・総合技法
   ・態度技法

 ▼発想のアプローチ
  問題解決のためには発想をしないとだめ。

 ▼発想法の種類

  ・発散技法
   論理にとらわれずに、様々な角度からできるだけ多くのアイデアを
   生み出そうとする方法

  ・収束技法
   発散思考により集めたバラバラなデータをまとまりのあるものに集約し、
   有効な情報を形成していく方法

  ・総合技法
   上記の発散と収束を繰り返しながら進めて行く方法

  ・態度技法
   アイデアのアウトプットを直接目指すものではなく、
   主にクリエイティブに考えるための基礎的な態度を問う方法。 

 ▼ブレインストーミング(BS)法
  ブレーンストーミング(BS)法は、アメリカの広告会社の経営者だった、
  アレックス・F・オズボーンによって開発された発散的思考支援の方法

  4つの原則「批判厳禁(判断先延ばし)」、「自由奔放」、
  「質より量」「便乗発展(結合と改善)」という、
  4つの原則を守りながら複数の参加者による共同作業で発想を促す方法である。

  自分のアイデアへの思い込みに縛られたり、批判を恐れたりすることにより、
  自由な発想が妨げられないように、自由に、
  できるだけ多くのアイデアを出しつくすことを目的とし、
  しかも他者のアイデアに触発され自分のアイデアをそれに結合させ、
  より良いアイデアに発展させることを
  促進させる方法である。

 ▼ブレストの原則

  自由奔放
   ・固定観念から逃れるために自由な発想を歓迎する。
   ・とっぴな意見、その場の思いつきでかまわない。

  批判厳禁
   ・どんな意見が出ても批判してはいけない。
   ・生み出すことだけに集中して、批判は一切おこなわない。
  
  質より量
   ・数で勝負する。
   ・一定の量を生み出す中から、結果的に質の良いものが生まれる可能性が高まる。

  便乗発展(結合改善)
   ・他の人の案をもとに、出てきたアイデアを統合または改善して、発展させる。
   ・思考を転がし続け、ストップさせない。

 ▼収束的思考支援:KJ法
  川喜多二郎が開発した発想法。
  問題をボトムアップ的に構造化し、全体を把握させやすくさせると同時に、
  問題への適切なアプローチをする方法。 

 ▼KJ法のポイント
  ・単位化
   テーマに添った定性データ(事実、意見、アイデア)群を集め、
   カードやポストイットなどに書く。これを単位化するという。

  ・グループ化
   それらのカードを一覧化できるように大型の紙に並べ、
   似通った要素の関係を見いだす。

  ・図解化
   小グループから中グループ、大グループの包含関係や因果関係を組み立てて、
   ラベルをつけ、視覚化して見えるように図解する。

  ・叙述化
   ラベルや図から文書を書起す。
   再度ビジュアルからテキストに変換し、論理化することで新たな発想を得る。

 ▼4つのデザイン発想アプローチ 
  ・ヒトの調査(インタビュー)
    気づき→人から客観的に発想する。
    ペルソナ→人から主観的に発想する。

    ※上記に適したデザイン発想法が必要。

  ・モノの調査(WEB・マッピング)
    気づき→モノから客観的に発想する
    動向→モノから主観的に発想する。
 
  例:ダイソン

 ▼ヒトから客観的に発想する。
  デザイン対象物を利用するヒトを、ユーザ調査などを通して、
  客観的な人物像を視覚化して、その人物の目的を考慮して、
  アイデアを発想する。

  例:ペルソナ手法の活用
    シナリオ手法の活用

 ▼ヒトから主観的に発想する。
  人間の行動を観察したり、インタビューする中で、
  気づきを得て、その気づきを発想のネタとしてアイデアを展開する。

  例:観察での気づき
    フィールドワークでの気づき
    インタビューでの気づき

 ▼モノから客観的に発想する。
  道具、商品や技術などの過去の動向やこれからの予測をして、
  モノの方向性を視覚化して、それを活用して、アイデアを発想する。

  例:商品ロードマップ
    技術ロードマップ
    道具年表

 ▼モノから主観的に発想する。
  道具、商品や技術などのモノに関わることでの、
  気づきを発想のネタとしてアイデアを展開する。

  例:技術活用の検討
    道具の歴史の検討


■人からのデザイン発想法
  
 ▼ヒトからの発想を支援する、5つのデザイン発想法

 1.体験視点の活用
  体験視点とは、ユーザーエクスペリエンスデザインの考え方の基本である。
  ユーザー体験を時間軸、環境軸や人間軸より分析し、体験を仮説して、
  その仮説より発想する方法である。
  
  活用方法
   ・一般的な状況から発想するのではなく、いろいろな状況を設定して、
    それぞれの状況設定にてアイデアを検討する。
   ・状況設定を変えることで、多くのアイデアを創出することができる。
   ・たとえば「一般的な花瓶」のアイデアで考えるのではなく、
    「お母さんが、夜、お風呂で、花の色を楽しむ状況」を考えて
    アイデアを創出する。

  例:アップルの例
    特許。

  ○体験視点の活用例
   体験を定義する5W1Hを文章として記述して、
   その文章をスケッチなど視覚化してアイデアを作ってみる。
   次に、その5W1Hを変えてみて、別のアイデアを作る。

 2.体験マトリクスの活用
  体験のマトリックスとは、体験の状況設定をマトリックスを使って、
  様々に設定し、多くのアイデアを創出する方法。

  活用方法
   ・状況設定の基本要素である、時間、場所、目的、対象ユーザなどの要素の中より、
    2つのマトリックスを作る。
   ・2つの要素よりマトリックスを作る。
   ・マトリックスのマス目に、それぞれの状況によって設定された
    アイデアを創出する。
   
  ○体験マトリックスの例
   横軸に3つの場所を設定し、横軸に3人の対象ユーザを設定して、
   9個のマスを作り、このマスを埋めるようなアイデアを検討することで、
   幅広いアイデアを創出することができる。

 3.ユーザーシナリオの活用(体験シナリオ)
  ユーザーシナリオとは、どのようなユーザが、どのような環境で、
  人工物に関わって、どのような行動をとるかについて記述した物語。
  このシナリオを記述してから、そのシナリオに基づいて発想する。

  活用方法
   ・シナリオには、5W1Hを表現する。
   ・いつ、どこで(when, where)は状況を表す
   ・誰が(who)はユーザを表す
   ・何を(what)は対象としている商品を表す。
   ・どうして(why)はユーザの目標や期待を表す。
   ・どのように(how)はその商品の使い方を表す。
   ・シナリオに、モノと人間の時間軸での体験を記述することができ、
    そこから発想する。

  ○シナリオの活用例
   →構造化シナリオ法
     ・サービスシナリオ
     ・アクティビティシナリオ(行動のみ)
     ・インタラクションシナリオ

 4.フォトエッセイの活用
  フォトエッセイとは、テーアに沿って深く内省するために、
  写真とエッセイを活用して、潜在的なニーズを明らかにする手法。

  活用方法
   ・ユーザの本質的価値を発見するために、ユーザがテーマに沿って深く内省して、
    ユーザにとってどのような意味を持つのかを、それはなぜなのか内省する。
   ・その結果を写真とエッセイのような文章に反映させたフォトエッセイを作る。
   ・この段階でユーザ自身が本質的価値やアイデアを発見する場合もある。
    また、ここで作ったフォトエッセイを活用して、
    他者がこのユーザの本質的価値を見出す場合もある。   

 5.フォトダイアリーの活用
  フォトダイアリーとは、他人のリアルな生活の様子を見つめることで、
  新しい発見を探す手法。

  活用方法
   ・ユーザの生活のシーンの写真撮影と解説をつくる。
   ・写真撮影は、生活や活動状況を明らかにするために、
    その状況での行動と環境が分かるよう定期的に撮影する。
   ・解説は、その時間にどのような活動をしてどのような状況であったか、
    簡潔に記述する。
   ・この段階でユーザ自身が本質的価値やアイデアを発見する場合もある。
    また、ここで作ったフォトダイアリーを活用して、
    他者がこのユーザの本質的価値を見出す場合もある。

  

HCDにおける視覚化手法について。

 - アクティングアウトとペーパープロトタイピング -
  浅野 智

■HCDにおける視覚化手法

■はじめに。
  HCDのプロセス図
  今日は、情報のモデル化の部分を実施します。

  01.gif

■HCDプロセス
  UB → UX

  ・ISO 13407はインタラクティブシステム
   使えないものを使えるようにする。

  ・ISO 9141-210は、サービスを含むインタラクティブシステム
   ユーザーにより良い体験を。

■時代の背景
  スマートフォンの普及がUXデザインに加速をかけている。
  アジアでもアフリカでもPCを飛び越して、スマートフォンの時代に突入!

■スマーフォンの時代
  モバイルファーストの概念

  1. サイトの開発をモバイル端末向けから始める
  2. 画面サイズや接続スピードなどの制約が多い。
  3. よりフォーカスしたコンテンツ作り(目的志向) 
  4. 利用の文脈に応じて使えるように情報を作る。
 
  ※「なんでもできる」から「やりたいことをすぐにできる」へ。
   

■スマートフォンの時代(サイトからアプリへ)
  ユーザーが行いたいことを直接アプリからスタートする。
 
  目的探索型インタフェース → 手続き型インタフェース

  ※家電のインタフェースも同じこと。

■UX白書
  「UX白書」ではUXを期間で区切り、考え方を整理している。

   02.gif
   
   ・利用中(一時的UX)→インタラクションが心地よい
   ・利用時間全体(累積的UX)→長期利用品質
 
 ■代表的なHCD手法
  
  ▼利用状況の把握と明示
   ・フィールドワーク
   ・オブザベーション
   ・インタビュー
     ※長期観察が課題
   
  ▼ユーザーと組織の要求事項の明示
   ・ペルソナ/シナリオ法
   ・構造化シナリオ法
   ・評価グリッド法

  ▼設計による解決案の作成
   ・ペーパープロトタイピング
   ・アクティングアウト
    ※如何に繰り返すかが課題

  ▼要求事項に対する設計の評価
   ・ヒューリスティック評価
   ・認知的ウォークスルー
   ・プロトコル分析

■アクティングアウト(ユーザーの振る舞いをスケッチする)

 ・デザイナーは観察するためにスケッチのトレーニングを受ける。
 ・自分がデザインしたモデルを表現するためにプロトタイプを作る。
 ・様々な概念を図化しようと試みる。

 ・現在ではデザインというものはモノや概念を作り出すだけではない。
 ・目に見えない時間軸も含めたソフトウェアやサービスまで対象となってきている。
 ・それらのものすらも、理解するためにスケッチをするという必要性が高まってきている

 我々は対象を観察する際に、スケッチを行うことを通じて、
 より奥深く理解しようとする。
 ただし、スケッチは対象によって手法が異なるため、下記の表で手法を習得したい。
 

       理解の対象        表現方法
モノのスケッチ プロトタイプ
概念のスケッチ ダイアグラム
コトのスケッチ アクティングアウト

 
 ▼アクティングアウトの種類
  1. 人工物の振る舞い
   人間がコンピュータの様々なハードやソフトの動く様子を演じることにより、
   新しい仕組みのアイディアを得る。
   なりきって演じることによる「気づき」に主眼を置く
  
   ※人工物側からの視点
   ※環境との係わり合いを知る
   
   例:多摩美の自動販売機のアクティングアウト

  2.ユーザー再現
   既存の機器やサービスを使用した時のユーザの振る舞いを演じてみて、
   そこに現れる問題や環境との係わり合いを探るのが目的

   ※ユーザ側からの視点
    教育機関では「オブザベーション」というメソッドで活発に行われている。

  3.シミュレーション
   HCDプロセスでは「設計による解決案の作成」の段階において、
   製品やサービスのプロトタイピングで小刻みに形成的評価することを推奨している。
   さらに、アクティングアウトを加え、ユーザがその製品やサービスを使用する
   コンテキストを表現することで、
   さらに、精度の高い評価を行うことが出来ると考えられる。

   シカゴ学派の社会心理学者 G・H・ミードは、
  「客我」とは他者が自分に期待している役割を取り入れることによって
   形成されると考えられ、
   他者との関係の中で「社会的自我」は成り立つということを説いた。
   
   ※ユーザ側からの視点
   ※オーディエンスからの視点

   ○オズの魔法使い
    インタフェースがまだ簡単なペーパープロトタイピングの場合は、
    人工物を担当する人間と、
    演技をする人間を使い分ける「オズの魔法使い」という手法を使うことにより
    評価が行い易くなる。

  4. プレゼンテーション
   アクティングアウトの種類の最後は、製品やサービスが完成した時点で、
   その成果を「総括的評価」を目的として行う。
   
   1個の完成した作品を眺めてみても、そのユーザが体験するコンテキストは、
   容易に理解されがたい。
   アクティングアウトは、ユーザの行動を文脈に沿って示すことができるため、
   オーディエンスの理解を得られ易いと考えられる。

 ▼アクティングアウト分析
  ・視点を整理

   アクティングアウトの種類     得られる気づき
人工物の振る舞い 人工物・環境
ユーザー再現 ユーザー・環境
シミュレーション&
オズの魔法使い
ユーザー・人工物
・オーディエンス
プレゼンテーション オーディエンス

  ・論文の例
    ※リンク先は有料の論文検索サービスです(CiNii)

   人工物の振る舞い型
    ・2002年 情報デザイン教育の試み アクティングアウト(1)
          下村千早 他      

    ・2002年 数学モデルに基づく知識オブジェクトの表現可能性
          須永剛司 他      

   シミュレーション型
    ・2002年 演劇技法を活用したユーザー参加型の使用状況プロトタイピング方法
          蓮池公威
     
    ・2007年 ワーク観察とプロトタイピングを通じたドキュメントワーク環境のデザイン
          平野靖洋 他
     
    ・2009年 ユーザーセンンタード・デザインの展開(5)
          山崎和彦
        
   プレゼンテーション型
    ・2004年 街の観察による情報デザインの学びの場づくり函館セミナー活動報告(2)
          寺沢秀雄 他
     

  ・公開された時期と傾向
   当初アクティングアウトが紹介使い始められた時期には
   「人工物の振る舞い型アクティングアウト」が主流であったが、
   徐々にHCDプロセスの導入と同期して
  「シミュレーション型アクティングアウト」が
   行われるようになってきたと考えられる。
  
   「シミュレーション型アクティングアウト」の方が、
   「種類と視点」の表を見ても分かるように、得られる気づきが多く、
    また、評価手法として開発現場での使い勝手がいいのであろう。

 ▼アクティングアウトまとめ
  「シミュレーション型アクティングアウト」は、
  今後ペーパープロトタイピングに止まらず、
  FLASH / Action Script、Gainer等、
  ラピッドプロトタイピングとの複合的な組み合わせによる、
  フィジカルコンピューティングの評価手法としても深堀が期待される。

  アクティングアウトをムービー化することにより、
  YouTubeなどでn数のオーディエンスの評価を得ることも可能である。

■ペーパープロトタイピング

 ▼ペーパープロトタイピングの種類

    種類     機能分類
スケッチ(観察) ワイヤーフレーム(ストーリーボード)
モックアップ
プロトタイプ(評価)思考発話法 オズの魔法使い
ストーリーボーディング


  1. ワイヤーフレーム

  2. ペーパープロトタイプ(モックアップ)
    ボール紙やケント紙などを使い、ラフに実際の大きさでつくってみることにより、
    使い勝手や環境との整合性などを簡易に検証することができる。
    時としては、美しく描かれたレンダリングに勝る検証効果が期待出来る。
   
   ※ダーティプロトタイプ
    プロトタイプが奇麗になりすぎると、ヒトはだまされてしまうので、
    ある程度荒くつくる

  3.ペーパープロトタイピング(思考発想法)
   最もプリミティブな手法。
   仕様書段階でもインタフェースを描いてみることで、
   使い易さを早期に検討することが出来る。

   被験者が、頭に浮かんだ事柄を自ら発言しながらテストを行う方法。
   簡易だが、効果が高い。

   ※ここまではユーザビリティの解決手法

  4.ペーパープロトタイピング(オズの魔法使い)
   人工物役の人間がペーパープロトタイプを操作して、
   実際にあるような動きをシミュレーションする方法。
 
   安価で簡易であり、かつ効果的な検証方法である。
   童話オズの魔法使いに出てくる逸話が語源。

  5. ストーリーボーディング(ウォークスルー)
   ワイヤーフレームをUXフローやシナリオに沿って並べ、
   被験者にペルソナになりきり発話しながら操作される手法。
   周りから大勢で観察しながら行われるので、
   問題点の共有が行いやすい。

 ▼ペーパープロトタイピングの特徴

  ペーパープロトタイピングの種類      得られる評価視点
思考発話法 観察から得られる問題点の発見
発話から得られる改善のヒント
オズの魔法使い 人工物とユーザー・環境との関連性
ストーリーボーディング ユーザーの文脈的な行動とインタフェースの関係

■アクティングアウトとの親和性

 ▼アクティングアウト&オズの魔法使い
  寸劇でユーザーの文脈的な振る舞いを演じ、
  その背景でシステムの動作を表現する。
   
  ※教育機関では多く活用されている。
 
 ▼企業ではアクティングアウトの採用に消極的
   (コピー機などの会社では、よく実施されている。)

  ・企業自体にアクティングアウトの文化がない
  ・開発者が恥ずかしがって、本来の効果が出るに至らない。

■ストーリーボーディングの提案

 ▼上段(アクティビティ)
  アクティビティシナリオを元に、絵コンテやアクティングアウトの写真を、
  A5〜A4サイズで作成し、プリントアウトする。
  
  ※Ajileのストーリーマッピングなどでも似たようなものが使われている。

 ▼下段(インタフェース)
  A5〜A4サイズに清書して、下段に貼る。

 ▼ストーリーボーディング
  模造紙にステップ順に並べる。

  上段はユーザーの文脈的な振る舞いを時系列に並べたもの。
  下段は、上段のアクティビティに同期したインタフェース(人工物)を貼る。

  ・コトのデザイン
   アクティビティ、ユーザー体験、シナリオ、絵コンテ、写真、タスクなど

  ・モノのデザイン
   インタラクション、インタフェース画面、ペーパープロトタイピング
   ワイヤーフレーム、モックアップなど。

 ▼ウォークスルー評価
  ユーザーの文脈的な行動をトレースしながらインタフェースを評価する。
  周囲からも意見や問題点の指摘を行う。

 ▼ウォークスルー評価の記述方法 1
  ユーザーの文脈的な行動をトレースしながらインタフェースを評価する。
  周囲からも意見や問題点の指摘を行い、その箇所に付箋で張り付けて視覚化する。
 
 ▼ウォークスルー評価の記述方法 2
  詳細に記録を取る場合は、認知的ウォークスルー法のフォーマットを利用する。

■プレゼン資料として

 ▼フォトボーディング
  統括的評価用の手法で、アクティビティシナリオをユーザーの振る舞いを写真で表し、
  下段にそのシチュエーションでのインタフェースを表す。
  
  これを作業ステップ毎に並べると、
  UXとインタフェースの関係の確認に効果的である。

■ラピッドプロトタイピング
 
 ▼シミュレーターによるプロトタイピング
  様々な方法で、使い易さだけではなく、
  ユーザーの経験を考える方法に進んでいる。 
 
■アドバンスデザイン(サービスの将来像検討)

 ▼デモムービーで表現する。
  開発チームのイメージの共有化や、
  クライアント・上層部の意思決定にストーリーが効果的。


ワークショップ「体験からの発想」

 1. 自分の好きな花瓶を描く
R9140620


 2. 家庭で、花を楽しむ生活のシーンスケッチを描く。
  ・誰(自分の家族の1人)が、どこで(自分の家の中で)、
   どのように花を楽しむのか文章で書いてみる。

  ・花の楽しみ方を考えてみる。
   これまでの花の楽しみ方でも、新しい花の楽しみでもよい。

  ・文章を書いたら、その文章のイメージをスケッチで書く。
R9140625

 ※最初に書いたものと、あとに書いたものは同じ。
  モノから考えいる方法と、ユーザーの体験から考える方法。
  だけど、ゴールは一緒。
  
  人間の常識から考えると、花瓶のスケッチは、花瓶だけを普通に書くことが多い。
  (モノから考えるとこうなる)

  体験からの発想すると、発想がジャンプする。
 

 3. マトリックス型発想法を使って、音楽を楽しむためのサムネールスケッチを、
   9個書いてみる。

  ・3×3のマトリックスを書く。
  ・横軸に時間帯を書く。
  ・縦軸に場所を書く。
  
   ※強制発想。
R9140639

  残念ながら、2つしか書けませんでした、
  強制発送法としては、ちょっとハードルがあるので、
  プラスαで何か工夫があったほうが発想しやすいかも・・・


ワークショップ「XB法」

 株式会社 グラグリッド 三澤直加
R9140730


■はじめに
 プロフィール

■発想法(XB法)
 eXperience + Brain storming

 「感動体験」のメカニズムを使って、人とモノとの関わり合い方を展開し、
  感動するような嬉しい体験を発想する「サービスシナリオ発想法」
  
■XB法はなぜ生まれた?
 ユーザー:要求レベルの高まり
 開発者:イノベーティブな企画立案の必要性
        ↓
  「感動商品」を企画できる方法が必要に。

■人が感動する「7つの体験」
 G1. 効果抜群のユーティリティ
 G2. 目からウロコの新体験
 G3. 念願のゲット
 G4. 自分だけのスペシャルを満喫
 G5. ピュアな姿に癒される。
 G6. 素晴らしき人生との遭遇
 G7. しびれる美しさを堪能

■体験を捉える「3つの要素」
 価値観:どんな価値観を持っていた人が。
  ×
 対象:どんなモノ・コトと。
  ×
 体験:どんな風に係わりあったか 
   
 ※時間の流れを意識している。

■XBはどんな風にやるの?
  
 ▼XB必要な道具
  ・iPhoneアプリ「独りブレスト!発想会議」
  ・付箋紙を使った方法
  ・アイデア発想シートを使った方法。
R9140689


 ▼XBの手順例
  スマーフォンアプリの場合
 
  1. 7つの感動体験から、キーワードを選ぶ
  2. キーワードを具体的に言い換える。(類比発想)
  3. 言葉を掛け合わせる。(強制発想)
  4. ブレストで具体的に展開する。(自由発想)
  5. アイデアを記録する。

 

ワークショップ

 ・1人でアイデアのタネを生み出す。
 ・グループでブレストして発散する。
 ・それを1人でまとめる。
 
   ※この方法が一番効率的と言われている。

 ▼テーマ「新しい食体験」
  
 ▼想定するお客さん
  ・好き嫌いはない方です。
  ・自分でも料理をします。
  ・自分好みのレストランを開拓したい
  ・特別な体験にお金を払いたい。 

 ▼キーワード
  1. ずっと追いかけてきた×質の良い○○×自ら生み出した
  2. 意識していなかった×ぬくもり、優しさのある○○×偶然出会った

  ※どちらか一つを選ぶ。

 ▼XB法 アイデア展開シート
  ・価値観:違う表現で言い換えて、過去形で記入
  ・対象:テーマに関係しそうな具体的なものを名詞で記入
      より具体的に。
      リバイスしなおしましょう。
  ・体験:シチュエーションをイメージして動詞で記入。

 ▼ブレスト
  ブレストした内容にさらに乗っかって、発想してもいい。

 ▼ブレストのポイント
  ・その言葉、こんな体験を表しているのでは?
  ・その体験は、どんな風に実現できるのか?
  ・想定顧客が喜ぶのは、どんな方法?
 
   体験 → サービス

  ※制約等については、棚にあげて展開しましょう。
R9140701

R9140705

R9140711


 ▼シナリオ化 
  サービスシナリオを書く。
R9140714

R9140721    


■発表タイム
 作ったシナリオを何人かが、発表。
 
■まとめ
 XB法ワークショップでやったこと
 
 ・感動体験のフレームワークの中で、
  経験を盛り込んだストーリーを創出。

 ・ストーリーからサービス像を発想

 ・サービス像をシナリオとして発表

 ▼これまでの一般的な商品開発アプローチ
  こんなことできたらいいな
 
 ▼XB法での商品開発のアプローチ
  こういうコトを体験したい!
  

 ▼自分でやってみるために。
  ・XBアイデア展開シート
  ・iPhoneアプリ「独りブレスト!発想会議」

 ▼XB法 活用事例
  ホワイトボード&付箋紙
 
■質問タイム
  
  ・XB法を実施する際に、
   7つの体験から、どのテーマを選べばいいのか?
  
   →ワークショップに申し込んでください。
    まずはどれでもいいのかテーマを選んでやってみる。

  ・この発想で考えたサービスをビジネスと結びつけるときに、
   つぶれてしまうこともあるのではないか?

   →具体的に落とし込む際に、ペーパープロトタイピングやストーリーボードで検証する。
   
  ・お金とか時間との制約事項を考える際に、
   どの段階で入れればいいのか?
  
   →サービスシナリオの段階までは、制約は考えないほうがいい。
    一番、理想的な体験を考える。
   
  ・山崎先生コメント
   一番大事なのは、目標設定・プロジェクト設計
   だが、目標設定の段階で、制約事項が決まっていて、
   プロジェクト設計があいまいな場合が多い。
   
   現場の人がいいアイデアを出したけど、
   目標設定にあわずに、却下されることが多い。
    
   プロジェクトマネジメントの上流工程で、
   キチンと目標を設定する必要が重要。


省察

 懇親会は予定されてなかったので、
 三澤さん、浅野先生、JVC KENWOODの和井田さん、
 Gaji-Laboの山岸さんと僕の5人で、
 適当に、後楽園の「北の味紀行と地酒 北海道」に。
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山岸さんは、ワークショップ中に自宅が水害にあったそうで、
ワークショップどころではなさそうでしたが・・・

久しぶりにXB法を体験して、
さらに理解を深めることができました。


参照

コトデザイン2.0 HCD上流行程の発想法ワークショップ

情報デザイン研究室 HCD-Netセミナー HCD上流工程の手法と発想手法ワークショップ




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